令和2年度 近代技術史学
9月1日(火曜日)
午前 自動車エンジンの技術史(田中 秀治 教授)
内燃機関の黎明期から現在の形に落ち着くまでを解説し,その技術系譜の中で,最近の低燃費エンジンを理解します。また,ロータリーエンジンに代表される「変わり種」エンジンの歴史も解説します。カーマニアが盛り上がる小話も入れつつ,楽しく講義します。
午前 記録技術の歴史(戸津 健太郎 准教授)
マイクロシステム融合研究開発センター(西澤潤一記念研究センター内)の「近代技術史展示室」に展示してある歴史的機器に関連して,特に記録技術の歴史を同センターの戸津先生が講義します。それらの歴史的機器の原理が,現在の技術としてどのように活かされているかという視点でも解説します。
9月2日(水曜日)
午後 超音波・圧電デバイスの技術史(門田 道雄 シニアリサーチフェロー)
超音波・圧電デバイスは,携帯電話やスマートフォンの中で周波数を選択するフィルタとして広く使われています。この技術は本学と関わりが深く,本学の技術なしに現在の携帯情報通信は成り立たないと言えます。門田先生は,本学の修士課程を修了後(その後,論文博士制度で学位を取得),村田製作所にて弾性波フィルタの技術を立ち上げ,同社のシェアを世界一にした立役者ですが,今回,その開発史を解説します。
午後 ファクシミリの技術史(小川 睦夫 非常勤講師)
リコーでファクシミリ事業の責任者をされていた小川さんによる講義です。ファクシミリの初期から成長期を経て成熟期に至るまで,実際に研究開発を担当された経験に基づく,他では聞けない系統的な講義です。国際標準化の視点からも興味深い講義になると思います。
9月3日(木曜日)
午前,午後 集積回路の技術史(湯之上 隆 非常勤講師)
半導体評論家として活躍されている湯之上さんによる半導体集積回路の技術史の講義です。特に,かつて世界一を誇った我が国の半導体産業が,どのように,また,どうして苦境に陥ることになったのか,半導体技術者としての自らの経験も踏まえ,技術,経営,戦略などの多面的な観点から詳しく解説します。また,今後,我が国の産業がどうしたらよいのかを各自が考える材料も提供されます。さらに,IoT-AI時代を迎えて半導体産業がどのように変遷するのか,なぜ2018年に半導体メモリバブルが起き,2019年に大不況に突入したのか,今後,不況から脱することができるかなど,最新の話題も提供される予定です。
※本講義は3日間を通じて日本語で行われます。
※講義資料の閲覧にはパスワードが必要です。
※受講生以外の方で講義資料を閲覧されたい方は問合せ先にご連絡下さい。
※オンライン講義への変更にともない講義内容が変更される可能性があります。
場所:東北大学 マイクロ・ナノマシニング研究教育センター 3階 セミナー室
オンライン講義:講義室のURLは,学内生にはGoogle Classroomを通じて,リカレント講座受講者には電子メールでお知らせします。
時間:午前 8:50〜10:20 10:30〜12:00
午後 13:00〜14:30 14:40〜16:10
問合せ先:田中 秀治 022-795-6934 tanaka@mems.mech.tohoku.ac.jp